2008年11月25日

探していたもの・いなかったもの

ノヴァークの編曲が一区切りついたので、次は(実は手をつけてから3,4年ほど放置状態になっている)ホルストの《吹奏楽の為の第1組曲》のピアノ連弾版に手をつけてみようと思っていた。
「あれ、ピアノは練習しないの?」といわれそうだが、私の場合、編曲はピアノを弾けない夜の時間帯にやるので、実は編曲作業がピアノの練習には殆ど干渉しない。
という話はまあいいとして、問題は楽譜。前に編曲に手をつけるときに買ったスコアをどっかに仕舞いこんだ記憶はあるのだが、どこに仕舞ったかを忘れてしまった。
#「そういうのを『なくした』っていうんですよ!」ってツッコミは・・・多分アリだな(苦笑)。

今のところに越してきてからも、なんだかんだでコンスタントに楽譜を買っているので、随分増えてしまっている。暫く見ていなかったところを探すと、随分前に買い込んだ楽譜が出てくる出てくる。
いずれもいつか弾こうと思って買ったものばかりだから、出てくると片っ端から弾きたくなってしまう。そう思いつつも「いや、ちょっと待て。探し物の方が先だろ」。(苦笑)

周りでブームになっているときに、そのブームの渦中のものに手を出すことは少ない。「流行りモノは廃りモノ」であるのは仕方ないとして、廃れた時に始末に困るのが嫌なのだ。それでも買ったものが2冊だけある。シベリウスと、レスピーギの曲集。いずれも全音版だった。
そういうものも、出てきた。

レスピーギは、買う少し前に、ピアノ作品集のCDを聴き、そのなかにあった《6つの小品》に心動かされて楽譜も手にしたのだった。
フランス印象主義的な作風で、「小夜曲」(で合ってる?<訳)などは、もっと弾かれても良い曲だと思う。

シベリウスは、当時の仲間内で「樅の木」Op.75-5 という曲が流行っていた。冷たく沈んだ響きが新鮮だったこともあるし(北欧音楽なんて、接する機会は比較的少ないのではないか)、分かりやすい楽想で、初めて聴いて「お、これは・・・」と思う人が多かったのもそれなりに頷ける気がする。
しかし、今この曲を弾いてみると(結局、捜索中に多少の脱線はしていた訳で・・・(^^;)、この虚無感・・物哀しさはどうだろう。まるで「遠く過ぎ去った日々は、もう帰ってはこない」としみじみと語られているような気分に陥る。
全音版の解説には「1年を通じて緑の樅の木は、北欧では永遠の命の象徴だ」(P.51)と記されているが、樅の木が棺桶の材料に使われるという記述は、一体どこで読んだものであったかが思い出せない。

結局、ホルストは出てこなかった。
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2008年11月24日

ノヴァーク 《スロヴァーツコ組曲》 ピアノ版編曲

10月26日に書いた話だが、当初予定の2曲の編曲が終わった。

Novak: Slovacka suita pro klavir
レスピーギのような大変な楽譜じゃなかったし、寧ろ編成は小規模。正味の手間という意味では、そんなに手間取らずに済んだ。

昔は「原曲にある音符をいかに詰め込むか」が常に頭にあったが、最近は、そのために、例えば今回の場合のように「ピアノ曲としての実用性」が損なわれるようでは意味がない、と思うようになってきた。やろうとしていることが「スコアの編集」ではなく、あくまで「ピアノ曲への編曲」であるからだ。
そこで今回は、「これはちょっとダメだな」と思う音は割と切り捨てた。但し、(自分は無理でも)10度に届く手なら問題なく弾ける音はなるべく残した。

書いたらお約束として、弾いてみる。
やはり、自分の好きな管弦楽作品が自分の手で音になると、なんとも言えず楽しい。
...ではあるが、本業のピアノの方は、当面別の曲を練習しなければならないので、《スロヴァキア組曲》の方は当面お預け。
年末、落ち着いた頃に、気が向いたら浚ってみますか。。。

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2008年11月08日

HENLE版 ソナチネ集 第3巻

前から入手しようと思っていたのだが、先月漸く注文し、届いたのが今日。
某知人からも「これにFibichが入ってるよん。」とお知らせを頂いていのだが、なんだかんだで手配を掛けるのがのびのびになってしまっていた。
目次を見ると、Reinecke, Schumann, Heller, Raff, Kirchner と続く。このなかで名前も知らなかったのはHellerくらいか。
#但し、作品を一つも知らない作曲家が2,3名いるが。(--;
その後にHermann Goetz の Op.8-1、続いて最後にFibichが収録されている。この2人は共に、素晴らしい連弾用のソナタも書いている。(→参考

ところでこのFibichのソナチネ、第一楽章をパラパラと弾いてみると、驚いたことに、Fibichらしい響きが殆どない。
実は曲のタイトルの上に aus „Große theoretisch-raktische Klavierschule" と書かれていて、これは6月21日の記事10月18日の記事で触れたピアノ教本のことを指している。
つまりは、純粋に教育目的で書いた。そのために不要な「らしさ」を取り去ったということなのかも知れない。
#ただ、個人的には別人のような作風との印象があって、ちょっとビックリしている。

さて、第3楽章はなんとフリアントで書かれていた。フリアントとはチェコの民族舞曲の一つで、譜面上は3拍子で書かれるが、「2+2+2+3+3」の変則的なリズムで始まるパッセージを持っている。勇壮で力強い印象の曲が多い。例えばドヴォジャークの《スラヴ舞曲集》第1集の第1曲なんかもそうである。
弦楽四重奏曲にポルカを初めて導入したのもFibichだったが、まさかソナチネにもフリアントを持ち込んでいたとは(笑)。
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2008年10月26日

ノヴァーク 《スロヴァーツコ組曲》 ピアノ版編曲

ヴィーチェスラフ・ノヴァークの管弦楽組曲《スロヴァーツコ組曲》Op.32 のピアノ独奏版編曲を、少し前からやっている。
ただ、5曲全部をやろうと決めているわけではなくて、まずは第1曲、第5曲を編曲してみて、残りの3曲はその後どうするか考えようと思っている。
作曲者自身によるピアノ独奏版は既に手許にある。若干気に入らないところもあったりするのだが、そのために絶版の貴重な楽譜に落書きするよりは、一から書き起こした方が良いかと思ったのが、こういうことを始めた理由。和声をじっくり見るのにも良いということもある。
で、取り敢えず、第1曲だけ書き上がった。

「教会にて」というそのタイトルのイメージ通り、殆どコラールのような曲。比較的音符は細かくなかったお陰で、割合書きやすかった。
やってみて意外に思ったのは、
 ・殆どの箇所では、ごく限られた音域を使っている
 ・非和声音の響きがが結構独特。
 ・「何でこれで曲が終われるの?」と思ってしまう、不思議な終止
...等といったところ。

次は第5曲。
次で止めてしまうと、「キセル編曲」(笑)になってしまうので、さらに1曲か2曲ぐらいはやろうかなと、今のところは思っている。
しかし第4曲などはピアノに編曲してしまうと曲の持ち味がどうしても死んでしまうのであんまりやる気が起きない。
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2008年10月18日

Fibichの書いたピアノ教本 その後

6月21日の記事に書いた、FibichがMalátとの共著で書いたピアノ教本のその後の話。
私が持っているのは、全30巻のうちの冒頭6巻で、本当に導入期の子供向けの内容である。
最初の方で要求される技術レベルは、本当に「子供のバイエル」上巻冒頭と殆ど変わりないが、先生が一緒に弾く為の、かなり凝ったsecondパートがついている練習曲が非常に多いのが特徴的である。
このように連弾にするとソルフェージュ能力が鍛えられるそうだが、これは個々の練習曲の音楽的なレベルを下げない結果にもなっている。

さて、ピアニストをしながらピアノ教室も開いている知人のところにお邪魔した際に、これをお見せした。
このとき、私の他にも3名ほど遊びに来ていたのだが、そのうちの一人(元ピアノ教室講師)の人と一緒に、知人はこの教本の練習曲を片っ端から弾き倒していった。1曲1曲の出来がよいとのことで、導入期の生徒さんの教材に是非使いたいとのことだった。
曰く、生徒の教材に導入する為には、生徒にとっても入手しやすい(=どこの楽譜屋でも簡単に手に入る・手頃な値段)ことが必要で、そのためには国内で出版されていることが望ましいという。
で、「出版してみない?(^^)」。

・・・やるのは別に良いんだが、どんな段取りを踏まなければならないのかがサッパリ分からない。
取り敢えず、出版に関係のある知人にも、聞ける範囲で色々教えてもらおうとは思っているが、さて、どうしたものだか・・・
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2008年08月28日

自分的「食指が動かない曲」の法則

「この曲、結構良いよねぇ。」と、何かをしている片手間で聴いている時は手放しで思うのだが、それじゃぁといって楽譜を買い込み、音符を目で追いながら聴いたり、音出しを始めると途端に集中力が途切れて楽譜はお蔵入りしてしまう曲というのがある。

私の場合、例えば、ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェクの「12の狂詩曲」Op.1。
この、ベートーヴェンの後期に重なる時期にその生涯が重なる作曲家の作品、聴く度に良い曲だと思い、ついにはチェコから楽譜を取り寄せることまでしておきながら、しかし結局音出し以上のことをした例がない。
今、手許にこの「12の狂詩曲」Op.1 の第2巻(後半6曲を収録)があるが、パラパラと捲っても、気に入った4曲中、弾いてみようとまで思ったのは1曲もない。
勿論、アマチュアでもこの程度の曲を初見でパラパラと通しで弾ける人は世の中に沢山いるし、単に私がそういうレベルではないから、ということもある。

それにしても、何でこうも弾く気にまではならないのだろうかと、ちょっと考えてみた。
以下は、この「12の狂詩曲 Op.1」を題材に考えたことを綴ってみる。。。。


1.カッコよく終わらないから?
ヴォジーシェクの狂詩曲は全て複合三部形式で書かれており、終末は大概弱音で消え入るようになっているものが多い。
ありそうな話ではある。
ff でかっこいいカデンツだったりすると、確かに「弾いた!」という、ある種の充実感があるのは確か。
だが、今まで弾いてきた曲をみると、自分の好みで選んだ曲(殆どそればっかりだが)に限っても、そういう曲は半々かそれ以下。従って理由になり得ない。

2.旋律がハッキリしている曲じゃないから?
ヴォジーシェクのピアノ作品は古典派に属し、ベートーヴェンの系統にある。作品自体は、確かにそういう傾向にある。
昔のピアノ仲間からは、「『歌』のある曲が好きなんだね」と評されたこともある。しかし私はブラームスのそういう(=旋律的ではない)系統の曲も好んで弾くので、これもない。

3.繰り返しが多くて飽きるから?
複合三部と言っても、Trioになっている。各部は全て繰り返しがあり、特に第1部は(戻った時の第1部では、繰り返し記号は無視されるけれども)都合3回も同じ物を弾くことになる。
「繰り返すところは弾き方を変えなさい」とは、習っていた時分によく言われたことだけれども、どこまでやっていいかというのもなかなか・・・。
悪いけど、確かに飽きる。

4.やっぱり曲の終わりに不満が残る?
どの曲も、うっかりするといつの間にか終わってしまうのだ。
Trioになっていて、且つCodaがないのも原因だろうが、何か、結末に向かっていく集中力と言うか、エネルギーがあまり感じられない。
静かに終わるとしても、例えば(弾く気になれる一例として)シューベルトの D960の第2楽章の場合は、何かこう、終末に「向かっていく」ものを感じるのだ(飽くまで私の場合は、ということで)。
よくよく考えてみると、昔自分で曲を書いていた頃も、Codaにはちょっと凝っていた。


・・・ということで、思いつくままに項目を挙げては勝手に書き散らしてみたが、どうやら上の3.と4.が効いているような気がしてきた。
自分のことに就いて、こういうことが一つ分かる毎に、素通りするものがまた一つ、増えていくのかも知れない。
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2008年08月24日

スクリアビン・・・ビミョーであり、ビミョーでないCD

スクリアビンのCDを買った。

 "Hounds of Ecstasy" 「スクリャービン歴史的録音集」

というもので、2枚出ている。
1枚目は、スクリアビン本人、ラフマニノフ、プロコフィエフの2人の作曲家、イグムノフ、ゴリデンヴァイゼル、ネイガウス(父)、フェインベルグなど、ロシア・ピアニズムの系譜に連なる名手達による演奏、2枚目にもソフロニツキなどの演奏が収録されている。

白眉は、スクリアビン本人の演奏による、有名な『練習曲Op.8-12』。
現在出版されているこの曲の楽譜とは、リズムその他が幾つか異なっていて、推進力を感じさせる演奏になっている他、実際のテンポも非常に速い。迫力が違う。
この曲は10年位前に挑戦したことがあったが、とてもじゃないがこんなテンポでは私は弾けなかった。
これを聴いた後に、コルトーで同じ曲を聴くと、覇気のない、かなりのんびりした演奏に聴こえてしまうくらいだ。

と、ここまで褒めておきながら、何故ビミョーかというと、このCD、音源がSP盤なのだ。
SP盤に落とす前のマスターからCDにした訳ではないらしく、レコード再生時の、あの「ぷすっ。。。ぷすっ。。。」という音がかなりな大きさで入っている録音もある(全部がそんなに酷いと言う訳ではない)。

しかし、そうは言いつつも、やはり演奏自体には一聴の価値のあるものが多いこともまた確かだ(と思う)。

"Hounds of Ecstasy" スクリャービン歴史的録音集
Vol.1: ロシア・ピアニズム編 [DCL-1001]
Vol.2: SPレコード編 [DCL-1002]
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2008年07月31日

アルゲリッチのショパン

D-Durを聴く。
そういえばアルゲリッチの弾いたショパンのCDを何か持っていただろうかと思い返してみたが、1枚も持っていない。
私の場合、ピアノ弾きの癖に、元々ショパンに余り食指が動かないということも多少関係がありそうだが、それ以前に、この作曲家とピアニストが「毛色の違う組み合わせ」に思えてしまうことの方が大きいと思う。
この、アルゲリッチが弾くショパンの第2協奏曲は、何と言ったらいいのだろう・・・ショパンの音楽で多かれ少なかれ感じる、懊悩や憂鬱さのようなものがあまりない。「悩んでる暇が合ったら行動せよ。」みたいな、活発で全身から力が漲っているような印象を受けてしまう。
表現力も素晴らしいピアニストではあるのだが、そんな印象を持ってしまっている。多分、私自身がショパンに関しては、「もっと病弱っぽくてナヨっとした」ものを先入観として持っているからなのだろう。

そういえばラフマニノフも、彼女らしい演奏だった。
聴いたのは、ネルソン・フレイレと組んで演奏した、2台ピアノのための組曲第2番だったが、これはまだ大分芸風に合っていたように思う。
個人的には、彼女のピアノでスペインものなんかを聴いてみたいと思っている。アルベニスとか。


15:24 - Fryderik Chopin: Koncert pro klavír a orchestr č. 2 f moll op. 21.
Hrají Martha Argerichová (klavír) a Národní symfonický orchestr Washington, řídí Mstislav Rostropovič.(31 min)
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2008年06月14日

連弾話

NIFTYがBBSを運営していた頃に存在したPATIO(私設会議室のことをそういった)「お気楽ぴあのさろん『混沌』」で嘗て一緒に遊んでいた友人の一人が先月、転勤で東京に引っ越してきた。
何とはない会話の流れで今日会うことになり、池袋のYAMAHAで楽譜を見に行き、その後一杯やってきた。

私は余計な金を持ち合わせていなかったのでパスしたが、友人は連弾ものを幾つか購入。「やろうよ。」と云われているので、既に持っている「ロザムンデ」以外は遠からず調達しておかないと。。。

 ・「パガニーニの主題による狂詩曲」(ラフマニノフ)
 ・「付随音楽《ロザムンデ》から」(シューベルト=シェーンベルク)
 ・「カノン」(パッヘルベル)

今日の戦利品以外でも名前が挙がっているものが・・・・
 ・「マ・メール・ロワ」(ラヴェル)
 ・「ワルツ集」(ブラームス)
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2008年06月05日

星と熊

川越の楽譜店に注文してあった、スメタナの楽譜2冊が届いた。「6つの性格的小品」を収録したものと、「チェコ舞曲集・第1集&第2集」を収録したものだ。
どちらもネットラジオで聴いて気に入ったので買ってみたもの。仕上げるところまで手が届くかどうか分からないけど、取り敢えず齧ってみようかと思っている。

2冊とも同じ出版社から出ているものなのだが、前者は "Editio Supraphon" と書いてあり、後者には「星と熊」のマークと "Bärenreiter" の文字がある。
チェコの音楽出版社といえば、数年前まではスプラフォンだったが、この会社、今ではドイツのベーレンライターの傘下に入り、社名も "Editio Bärenreiter, Praha" となっている。
ところがこのプラハの会社、今でも旧社名 "Editio Supraphon, Praha" どころか、更に前の "ORBIS, Praha" 等の社名が印刷されたままの楽譜を売っている。
社名が変わった後も、"Supraphon" と書かれた楽譜を買い続けていたのであまり気になることもなかったが、こうして「星と熊」のマークと "Bärenreiter" の文字が表紙に印刷されているのを見ると、「あぁ、変わったんだなぁ。」と俄かに実感が湧いてくる。

スプラフォンがベーレンライターに吸収されたことは、日本でいうと全音や音楽之友社が外国資本(例えばPetersとか Boosey&Hawkesなどのような)に吸収されて社名も親会社のものに変わってしまうようなもの。現地の人にはちょっとフクザツなものもあるのではないかと思うのだが、それだけ業界事情も厳しいものがあるのでないだろうかと思ったりもする。
実際、一旦は出版されながら、絶版になっている作品も多くて、例えば私が未だに仕上げきれないままズルズルと弾き続けている曲も、絶版になって恐らく半世紀くらいは経っている。
そういう楽譜を発掘してくる過程は、それはそれで面白いけれど、そういうことをしなければならないこと自体は不幸なことだ。

・・・・などということを、「星と熊」のマークを眺めながら考えた。
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2008年06月03日

ラベック姉妹のブラームス

D-Durにて。
ラベック姉妹のピアノ連弾で、ブラームスの《ハンガリー舞曲集》をやっている・・・。
こういう色眼鏡で見てしまうのは我ながらどうもよくないとは思うのだが、「フランス人でも中東欧モノをやるのか」と、ちょっとした好奇な気持ちで聴いてしまう。

ラベック姉妹のこの演奏、中東欧モノが好きな人の間では好き嫌いが分かれるんじゃないだろうか。何と言ってもあの重厚で東欧の土俗的雰囲気(この作品のネタ元はヴァイオリニストのレメーニだった。ハンガリーのメロディーだと思っていたのはブラームスの思い違いで、ロマの音楽だったらしいが)を再現しようとしているこの作品が、軽快且つ繊細な音楽に仕上がっているのである。ブラームスらしい音の厚さはあるものの、これらが軽やかに響いてくる。

2003年にベロフが来日した際、ヤナーチェクを弾いたリサイタルを聴きに行ったが、このとき「演奏そのものは良かったし満足したが、民族性の違いを強く感じた」ものだった。

・・・もっとゴツゴツとした、アクの強いリズム・強烈なアクセント・推進力の強さといったものが、中東欧の舞曲には必要ではないかと思うのだが、5年前のベロフも、今夜の(ラジオだけど)ラベック姉妹も、聴いた感じには、それとは違う方向性で音楽を纏めていると思った。

ということで、「悪くはない。いろいろな演奏解釈に接してみたい向きや、軽快な音楽表現の好きな人にはお薦めしてもいいと思う。しかし、ブラームス的重厚さ・中東欧らしさ・土俗的雰囲気などを求めたい聴き手にはお薦めできない」と纏めておこう。


17:21 - Johannes Brahms: Uherské tance. Cyklus skladeb pro klavír pro čtyři ruce
Hrají Katia Labeque (klavír) a Marielle Labeque (klavír).(52 min)
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2008年05月01日

「ピアノ練習によせて ブラームスからの提案」入手ならず。。。

4月28日に書いた、「ピアノ練習によせて ブラームスからの提案」という本は、結局在庫無しである旨、発注していたオンライン書店から連絡があった。

...残念。(_ _;
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2008年04月07日

シューベルト ピアノソナタ・ト長調 D.894《幻想曲風》

先週は風邪を引いていたり、先々週は甲信地方へ旅行に出かけたりしていた関係であまりピアノは練習していなかったのだが、この週末、ようやくゆっくりとピアノに向かった。
このところ、譜読みの練習として、幾つか今まで手をつけてこなかった曲を試しにさらっている。そのなかから気に入ったものが見つかれば、形になるまで弾き込んでみたいなぁとは思っている。今メインでやっているノヴァークの《英雄ソナタ》も、第2楽章の譜読みに入れるほどの段階では未だないし、それまでに他の曲をやって数をこなしておくことも良いだろうと思うので。

で、今日の譜読み練習は、シューベルトのピアノソナタ D.894 の終楽章。
アウフタクトの後の第1小節目の冒頭から、左手の10度の和音に手が届かない。(爆)・・・仕方がないのでそういうところは崩して済ます。
この楽章は全般に、三度並行と八分音符のトレモロが頻出して、こういうところは音の出し方はちょっと注意が必要そうだ(もしちゃんと取り組むなら)。楽想やアーティキュレーションの切り替えはなかなか面白い。出した音の切り方も注意の払い甲斐がありそうだ。
長い上にほぼ初見(大分前に2,3回、今日のように音出し程度はしたことがある)で時間が掛かったこともあり、今日は411小節中の230小節までで終わり。
ちゃんとやったら楽しく弾けそうな感じの楽章ではあるが、意外とトレモロなどで挫折しそうな気がして、まだ心が決まらない・・・

ところでここから話は逸れるが、ハワード・ファーガスンが書いたこのソナタの解説によると、自筆筆には "IV Sonate" と書かれていたが、ハンスリンガー刊の初版譜(1827年)には、 "Fantasie, Andante, Menuetto und Allegretto" と記されているという。
ここで想い起すのは、シューマンの《幻想曲・ハ長調》の存在だ。
『またシューマンか』とか言われそうだが。(^^;

このD.894の第1楽章の第2主題、49小節目からのソプラノの「E---F---E---A---」という音形、シューマンの《幻想曲・ハ長調》の第3楽章に出てくる「G---A---G---C---F---A-G--F-E--」(手許に楽譜がないので記憶を頼りに記述した。正しくは違う調かも知れない)の前半部分に似ていて、どちらも曲中で印象に残りやすい使われ方をしている。
厳密には第2音の高さが両者では半音違うのだが、シューベルトの譜面から、Fのナチュラル記号を取ってしまうとFisになるので同じことになる(勝手に取っちゃいかんのだけど)。
所謂《大ハ長調》交響曲を発掘したことからも、シューマンがシューベルトの作品に関心を寄せていたことは周知の事実だし、両者共に《幻想曲》と題された作品(尤もシューベルトのD.894は作曲者自身の命名ではなかったし、今はそう呼ぶ人もいないが)。あるいは・・・ということで上記のようなことを考えてみたが、実際のところはどうだったのだろうか。。。

これを書いている間、折りしも、D-Durではスクリアビンのピアノ協奏曲が流れていて、なかなかこれも面白かったものだから、途中暫し聴き入ったりしていた(笑)。


18:11 - Alexandr Nikolajevič Skrjabin: Koncert pro klavír a orchestr fis moll op. 20
Allegro; Andante; Allegro moderato; Hrají Garrick Ohlsson (klavír) a Česká filharmonie, řídí Libor Pešek.(30 min)

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2008年03月18日

ドヴォジャーク 《詩的な音画》Op.85

川越の輸入楽譜店から、ドヴォジャークの楽譜が届いた。
表題の作品が収録されている、作品集のようなものだ。
チェコの出版社 Editio Bärenreiter, Praha(嘗てのEditio Supraphon, Praha)が出しているもの。本記事の表題の作品は以前、ここで《詩的な雰囲気》と邦訳して書いたのだが、この楽譜をみてみると、原題は "Poetické nálady" で変わらないが、英題は "Poetic Tone-Pictures" となっていた。歴史あるチェコの出版社(とはいえ、現在の名前になったのはごく最近のことではあるが)がこのような英題をつけているところから察すると、邦題では《詩的な音画》で正しいということだ。
失礼致しました・・・

《詩的な音画》の楽譜は、日本では既に全音から出版されているのだが、実はこの楽譜を注文してしまった後でそのことを知った。
私が注文した方が値段的にもかなり高いので、考えようによっては損ともいえるが、その代わりこちらには他にもドヴォジャークの作品が幾つも収録されているので、ただ意味もなく高額な訳ではない。
収録曲は、《詩的な音画》Op.85 のほか、主なところでは《フモレスケ》Op.108(第7番が有名)、《マズルカ》Op.56, 《ドゥムカとフリアント》Op.12などがある。まあまあ、金額なりの分量だろう。

さて、《詩的な音画》を少し音拾いしてみたのだが、思ったよりは難しくなさそうだった。ただ、第1・11・12曲あたりにはかなり面倒そうなところもあったが。
全曲通すのは長すぎるかも知れないが、抜粋して持ちネタにする分にはそんなに大変でもなさそうだ。雰囲気のある作品だし、楽しめそうだと思った。

以前聴いたとき、最後の曲は何となく変わった拍節のような印象があったのだが、それもその筈で、冒頭から後半に差し掛かるまでは何と、5/4拍子で書かれていた。


"ANTONÍN DVOŘÁK URTEXT KRITICKÉ VZDÁNÍ KLAVÍRNÍ DÍLO II" (H 7040-II)
BÄRENREITER, EDITIO SUPRAPHON PURAHA
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2008年02月21日

ドヴォジャーク《詩的な雰囲気》Op.85

D-Durにて。
日本語では「詩的な音画」と訳すのがどうやら一般的らしいのだが、原題 "Poetické nálady" の "nálady" は「気分」「機嫌」「雰囲気」という意味なので、「音画」とするのは意訳なんだろうと思っているのだがどうだろう。
そういうわけで、ここでは世間一般にちょっと逆らった邦題に訳してみた。
タイトルから受ける印象を裏切らない曲調。最初の邦訳者にしてみれば、「音詩」という訳をつけたかったかも知れないが、原題で既に「詩的な」ときているので、流石にくどくなるのでそうは出来なかったのだろう。
ピアノ4手の為の「ボヘミアの森から」のような作品や、幾つもの交響詩があるものの、個人的には標題音楽作家という印象が薄い作曲家の一人だったのだが、良い意味で意外にタイトルに合った音楽になっている。叙情的な内容の作品だ。
各曲のタイトルからすると、多分ボヘミアの情景を音に託して描いたのであろう。

同じ曲の他の演奏と比較するとまた違った感想が出るかも知れないが、作品に良く馴染んだ演奏であったと思う。
プロにこんなことを言ってはいけないかも知れないが、このピアニストの弾く音には ff にメリハリがきちんとあり、且つきれいに響いていたのも、印象に残った点の一つ。


14:35 - Antonín Dvořák: Poetické nálady op. 85.
1. Noční cestou (夜の道)
2. Žertem (冗談で)
3. Na starém hradě (古城で)
4. Jarní (春の)
5. Selská balada (農夫のバラード)
6. Vzpomínání (想い出)--- 「悲しい想い出」という訳をするらしい
7. Furiant (フリアント)
8. Rej skřítků (妖精の踊り)
9. Serenáda (セレナード)
10. Bakchanale (バッカナール)
11. Na táčkách (お喋り)
12. U mohyly (英雄の墓にて)
13. Na svaté hoře (聖なる山にて)

Hraje Květa Novotná (klavír).(52 min)

※邦訳は一部wikipediaなどを参照したものもある...続きを読む
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2008年01月19日

ノヴァーク 音詩《パン》Op.43

D-Durにて、マルティン・ヴォイティーシェク[Martin Vojtíšek]のピアノ。
これは、ここでしょっちゅう触れている《英雄ソナタ》の作曲者による、ピアノ独奏の為の大規模な組曲。管弦楽版も作られている。
結構好きな曲で、全部は流石に無理(全曲通すと、演奏時間はゆうに50分を超える)だが、第5曲以外ならと思い、将来弾くことを想定して楽譜は既に手に入れた。絶版でなかなか苦労はしたが。
さて、この作品は今まで、ノヴァークの弟子の一人、フランティシェク・ラウフ[František Rauch] の演奏でのみ聴いている。
昔の知人が入手した、フランス人の女流ピアニストだとかのCDを是非聴きたかったのだが、結局その人と会う機会もなく、同じディスクも既に廃盤になっていたようで入手も出来なかった。
ラウフその人はかなり遅めのテンポでゴツゴツとした感じの演奏をする。特に近代フランス印象主義の影響の色濃いこの曲には合わないのではないかという思いがあったので、その他のピアニストで是非聴いてみたいと思っていた。
ちょうどそこへ、このマルティン・ヴォイティーシェク[Martin Vojtíšek]の演奏である。ヴォイティーシェクは、チェコの作曲家兼ピアニスト。

聴いた印象・・・
ヴォイティーシェクのこの作品の演奏は、テンポもラウフと比べると速目で余計な角が取れており、また技術的な問題を感じさせることもなく、極めて安心して聴ける。
但し、妙にゴツゴツしている分、ラウフの方が印象に残りやすい箇所というのも確かにある。その良し悪し論は別の話だが。
ノヴァークがこの作品で描いたものや、作曲に至った経緯などをしると多分、どのように解釈すべきかということも分かってくると思うし、印象も違ってくるような気がするのだが、今のところは残念ながら、そういう情報がない。
終曲のCodaはもっとpesanteにしても良かったかな。


17:36 - Vítězslav Novák: Pan op. 43. Báseň v tónech pro klavír.
Hraje Martin Vojtíšek (klavír).(51 min)

1. Prolog (プロローグ)
2. Hory (山)
3. Moře (海)
4. Les (森)
5. Žena (女性)
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2008年01月07日

シューベルト《即興曲》D935

D-Durにて。
#今更珍しい曲でもないが。
イヴァン・クランスキーというピアニストは初めて聴いた。
シフのように諸事控えめな弾き方をしていて、シューベルトには良く合っていると思う。
ピアノのせいなのかタッチのせいなのか、暗くくすんだような音色で、外声に対して内声を随分抑制している。
外声を際立たせるバランスで弾いてはいるけれど、だからといってその音は冷たく突き刺さるようなシャープさとか煌びやかさというのではない。
良い雰囲気の演奏だとは思う。


14:50 - Franz Schubert: Impromtus pro klavír D 935 op. 142
Allegro moderato; Allegretto; Andante con variazione; Allegro scherzando; Hraje Ivan Klánský (klavír).(29 min)
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2007年12月22日

ベーゼンドルファー

YAMAHAがベーゼンドルファーを買収することになった件、一昨日付けで、YAMAHAから正式発表が出ている:

http://www.yamaha.co.jp/news/2007/07122001.html

尚、旧日本ベーゼンの技術スタッフの方も、前向きな動きがあった模様:
http://homepage1.nifty.com/ftr-coco/bosetempo/sayonara.htm

日本のベーゼンドルファーのオーナーも、これで一応、一安心というところだろうか。
posted by D(各務) at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ

2007年12月12日

ベーゼンドルファーの身売り

既に旧聞に属する話であるが、先月、ウィーンの名門ピアノメーカーであるベーゼンドルファーが身売りをした。
結論から言うと、日本のYAMAHAが23億円で買収することで落ち着いたようだ。
ベーゼンドルファーの日本代理店であった、株式会社 浜松ピアノセンター / 日本ベーゼンドルファーも11月27日付けで全業務を終了した。
YAMAHAが買収、というのには少なからず驚きと違和感があった。というのも、なるほどYAMAHAもピアノを作っており、今では世界的にも知られるピアノメーカーの一つになった。しかしあの会社が標榜していたのは、ベーゼンドルファーの音色ではなく、スタインウェイのそれではなかったのか?という背景があるからである。
まぁ、オーストリアの企業が名乗りを上げなかったのであるから、伝統ある名器を作る会社がなくなるより遥かに良い。日本の企業がこのような企業に手を差し伸べるようになったことも良いことだろう。

(続きはまた後で)

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2007年11月13日

「黄昏」三題

「黄昏」三題日曜に、ベルリンの古書店から楽譜が到着。
Zd. Fibichの「管弦楽の為の牧歌《黄昏》」Op.39  オタカル・オストルチルによるピアノ2手版編曲。

なんだかんだでこの曲、管弦楽版(原曲。写真左)、作曲者自身によるピアノ4手連弾版(写真中央)、ピアノ2手版(写真右)が揃ってしまうことに。
中央の楽譜が薄汚れた感じなのは、110年の歳月を経ているからなのだが、実物と見比べてもちょっと。。。実物はもうちょっとマシ。

前に一度、自分でもこの曲のピアノ4手版の編曲を書いたことがあるので、どんな風に編曲されているかという興味もあった。

作曲者による連弾版に就いては、前にも2007年10月16日2007年10月25日でも触れているが、弾き易く出来ていて、若干の声部の省略(目立つところでは、フルートのオブリガート1箇所くらい)があるほか、作曲者にしか許されそうにないような、ピアノ曲っぽくするための味付けがこれまた若干有り。

今回届いたピアノ独奏版はまだあんまりよく見ていないが、手の数が更に少なくなっているにも拘わらず、作曲者の4手版ですら省略されたものがわんさか盛り込まれている他、無理矢理内声に和音を付け足しているところが多数。目立たないところで結構大変そうな譜面(ふづら)。「優雅に泳いでいるように見えるハクチョウも、水面下では大変なんだぞ」みたいな。、、、ちょっとちがうか。
posted by D(各務) at 23:45| Comment(1) | TrackBack(0) | ピアノ