2010年11月14日

ノヴァーク:音詩《パン》 Op.43 とフランス近代

音詩《パン》は、ヴィーチェスラフ・ノヴァークが40歳の時に作曲された。「パン」は、ギリシャ神話の牧神の名に因んでいる。
《冬の夜の歌》で既に「チェコにおける印象主義」を示しているノヴァークだが、この作品も、そういう要素を多分に持っている。
解決しない不協和音、連続五度、さらにはドビュッシー作品の特徴とも言える六全音音階の使用が見られる。

六全音音階の特に目立つ例は、第3曲 MOŘE(海)の冒頭のトレモロ音型および、38小節目以降の左手の八分音符の音型などである。
よく聴いてみると、ドビュッシーの作品を彷彿とさせられる音色なので、かなり分かり易い。

《パン》で使われている、各楽章を通じて共通の動機を使用することで全体としての統一感を出している手法(循環主題)は、彼の作品においては、《英雄ソナタ》などでも見受けられる。こういったあたり、ドビュッシーの交響詩《海》のようでもあるけれど、ノヴァークの《パン》におけるそれは、ドビュッシーの《海》と比べて、素材の単位が大きい。その為、どこか絶対音楽的な印象も多少ある。

第1曲「プロローグ」
http://www.youtube.com/watch?v=1CkP2iUfvgE
posted by D(各務) at 23:41| Comment(0) | TrackBack(0) | ピアノ
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