2010年09月23日

フィビヒ:《アルクナの陥落》

厳密には、こういう名前の作品はフィビヒの作品の中にはないが、《ヘルガ》Op.55 と《ダルグン》Op.60 の2つで歌劇《アルクナの陥落》を構成している。

これまで、フィビヒのOp.55以降は、私自身にとっては謎の多いものだった。
謎とは、
 「何故、そして本当にOp.55の作品が2つもあるのか?」
 「何故、Op.58とOp.59の作品は、どこを探しても出てこないのか?」
 「Op.55の一つである《ヘルガ》と、《ダルグン》Op.60 の関係は?」
の3つであった。

3つ目は、今回《ヘルガ》と《ダルグン》を1つに纏めたヴォーカルスコアが手に入ったことで、解消された。
これらについて、「主題作品目録」以外にこれといった資料や情報のない中、《ヘルガ》は Předehra(英語では "Overture" に相当)とあることから、これを序曲と解釈していた。しかし、所蔵するCDの中に、"The Fall of Arkona, Opera Overture, Op.60" と記した曲が収録されているものがあり、辻褄が合わないと思っていた。--- 「序曲を既に持っている歌劇に、更に別の作品番号を持った序曲が付くなどということがあるのだろうか?」と。
《ヘルガ》の譜面を見ると、管弦楽(楽譜はヴォーカルスコアである為、ピアノ譜になっている)とヴォーカルのパートがある、歌劇である。ここに至って、Předehra が「序曲」ではなく「序章」であったということが分かった。
また、今回改めて「作品主題目録」の該当部分を読んでみると、Op.55 は他の資料にもあるように、
 Helga
 Meluzína
の2つがあるようだ。いずれも冒頭部分の譜例が示されていることから、別の作品であることは間違いないだろう。
それにしても、1つの作品番号に対して、作品が一意に決まらないとは・・・
posted by D(各務) at 23:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 音楽
この記事へのコメント
ご無沙汰恐縮です。

>Předehra が「序曲」ではなく「序章」であった

言葉のニュアンスって繊細なんですね。これをお突き止めになったのは素晴らしいです! 言語音痴(音楽も!!!)の私には出来ないなぁ。

作品番号の重複は19世紀まではけっこう見かけたような気がするのですが・・・いまはその前の時代の、モーツァルトの作品1がふたつあることしか思い出せません。(^^;
Posted by ken at 2010年09月25日 11:13
kenさん、こちらこそご無沙汰しております。m(_ _)m

序曲も付いている三幕物オペラ(Op.60)に、その前置きとしてのオペラ(Op.55)がもう一幕あるということになるんですが、いずれにせよ変則的な構成で、知らない人には分かり難いんだと思うんです。
でもこれで、大分スッキリしました!(笑)

あれだけ、音楽を語る為の言葉をお持ちなのに、「言語音痴」とはご謙遜でしょう(音楽についても)。

>作品番号の重複は19世紀まではけっこう見かけたような気がするのですが・・・いまはその前の時代の、モーツァルトの作品1がふたつあることしか思い出せません。(^^;

え〜、そうだったんですか?!
そんな、「けっこう見かける」ほどあったとは。
Posted by D(各務) at 2010年09月26日 00:37
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