2019年06月01日

ヤン・パラフ

EU Filmdays 2019 で、チェコの出展作「ヤン・パラフ」を観てきた。
ヤン・パラフはプラハ・カレル大学の哲学の学生で、ワルシャワ条約機構軍がチェコスロヴァキアに侵攻した「プラハの春事件」のとき、これに抗議するデモに参加していたが、次第にデモを諦めて日常に帰っていく市民や学生に失望し、自身はそれに対する抗議の意思を示すため、ヴァーツラフ広場で焼身自殺した人物。

ヤン・パラフは物静かで、しかし正義感とそれを発揮するだけの勇気を持っており、また、正義感を曲げられない性格として描かれていた。
日本やアメリカの映画を比較的多く見ている身からすると、心象描写は少なく感じられ、焼身自殺の必然性については一定の共感をすることは出来なかった。
上演後の対談でこの件は監督への質問に出た。質問の言葉としては上記に大分似ているが、監督の答えは「これはドキュメンタリー・スタイルではない。私はチェコ人で、この映画はチェコ・スタイルなのだ。チェコ・スタイルでは、そのような心象描写の仕方をしない」という趣旨だった。
この他に印象に残ったのは、

  • この映画は、9割は事実に基づいている。それは秘密警察が焼身自殺を受けて作成した詳細な資料があったからだ。ヤン・パラフは焼身自殺した当時、秘密警察にとっては全くノーマークの人物だった。それがこのような事件を起こしたので、秘密警察は徹底的に調査を行った。

  • チェコ人は、それも特に子供を持つ女性は、ヤン・パラフの焼身自殺について否定的に考えている。が、そういう「英雄」はどの民族にもいる。そうでなければその民族は存続できないだろう。



といった話だった。

余談ながら、上演後の講演会は、東京外語大学の篠原教授がリードして進行を務めたが、もうちょっと教授ご自身がやりやすい体制にした方が良かったのではないかと思う。
posted by D(各務) at 23:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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