2008年07月25日

クライネス・コンツェルトハウス Op.25

今日、東京文化会館・小ホールにて、題記の演奏会を聴いてきた。
プログラム:
 1.フィビフ  :ピアノ五重奏曲 ニ長調 Op.42
 2.シューベルト:弦楽三重奏曲 変ロ長調 D471
 3.ドホナーニ :ピアノ六重奏曲ハ長調 Op.37
出演:
 三戸 素子(ヴァイオリン)
 二宮 隆行(ヴィオラ)
 小澤 洋介(チェロ)
 山根 公男(クラリネット)
 藤田 乙比古(ホルン)
 ラファエル・ゲーラ(ピアノ)

プログラムの解説を見ると、どの曲にもフィビフの名前が出てくることから、トリはドホナーニだが、メインはフィビフということなのだろう。

このシリーズでフィビフが取り上げられるのは、多分3回目(もっとあるか?)。前に取り上げられた回(Op.16:2004年2月8日)では、ピアノ四重奏曲 Op.11 が取り上げられており、私はこのときも聴きに行った。

2004年の時のフィビフは、ピアノの音が前に出過ぎていて、そのバランスが非常に気になったのだが、その点、今回のピアノ五重奏曲は非常に良かった。この作品(=ピアノ五重奏曲)、今回は作曲者が指定した本来の編成(他に、ホルンとクラリネットを弦で置き換える編成も許されている)で演奏された訳だが、これでバランスよく出来ていた。アンサンブルの出来も良かった。
ホルンのアタックミスが幾つか目立ってしまったのは残念だったが(しかし音色は素晴らしかった)、それ以外では「聴きにきて良かった」と思える、充分満足できる演奏だった。

シューベルトとドホナーニは、今回初めて聴く作品だった。
ドホナーニのピアノ六重奏曲は、フィビフのピアノ五重奏曲とカップリングでしばしばCDに収録されているのを見かけるので、多少の関心があった。ドホナーニはハンガリー出身、1877年生まれというから、フィビフより27歳下になる。力強く、時に英雄的でありながら、その底流に流れているのは、その当時の時代背景(世界大戦やファシズムの台頭など)を反映した不安な心理であるそうだ。息の長いパッセージのうちの幾つかは、ハンガリー的な印象(例えば、ブラームスの《ハンガリー舞曲集》等を連想させるような)を感じた。色々な要素を孕んでいて、フィビフ以前の作品とは違い、一言では言えない複雑な楽想であるが、それは彼よりも7歳年上のチェコの作曲家・ヴィーチェスラフ・ノヴァークの幾つかの作品とも共通する雰囲気でもある(...のではないか、と思う)。


東京文化会館小ホールは、聴くのに良い席を選ぶのに迷うのだが、少なくとも室内楽に関する限りは、なるべく前の方に座った方が良いのかもしれない、とは、今日の演奏を聴いて思ったことの一つであった。


終演後、同演奏会を聴きに来られたPelleasさんと、池袋で一杯。
posted by D(各務) at 23:56| Comment(4) | TrackBack(1) | 演奏会・リサイタル
この記事へのコメント
はじめまして。
あいと言います。

今度、ドホナーニの五重奏曲一番を弾くのですが、弾く前に作曲家の事や曲について調べようと思っても資料がなくて困ってます・・・。

何か資料はありませんでしょうか?
Posted by あい at 2010年01月07日 23:19
あいさん、どうも初めまして。

ドホナーニ、そういえば私も文献を目にした記憶がありません。
少なくとも作曲家に関しては、彼と関係のあった、コダーイやバルトークなどの伝記等から、エピソードを拾うことが出来るかもしれません。
それから、ハンガリーの出版社で、ドホナーニの作品主題目録を出版しているところがないか、探してみるのも一つ手ではないかと思います。
見つかれば、その後の調査が非常に楽になるかもです。
Posted by D at 2010年01月09日 00:47
お返事ありがとうございます。

探してみましたが見つかりませんでした・・。
ブラームスに影響されたという事ぐらいで、
曲に関しての資料はありませんでした。

手が小さくoctがとどき難く、あまり迫力がでないので、何かあればいいなとおもったのですが・・・。

弾かれたことはありますか?
Posted by あい at 2010年01月12日 21:20
あいさん、こんにちは。
フィビヒのピアノ五重奏曲なら少し音出ししてみたことはありますが、ドホナーニはまだ楽譜にもお目に掛かったことがありません。
ただ、当日六重奏曲を聴いたときは「シリアスに始まり途中剽軽な楽想に変転する。しかしその背後には常に焦燥感が付きまとう」という印象を抱きました。
彼の音楽には、戦争が、その暗い影を落としていたようですね。
剽軽になるところは、リストのハンガリー狂詩曲にも、どこか通じるものがあるのかも知れないなと思ったのでした。

...あんまり、お力になれない感じで済みません。
Posted by D at 2010年01月13日 01:42
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演奏会レポート:クライネス・コンツェルトハウス vol.25
Excerpt: Dさんに教えていただいた演奏会を聴くために、当日は午前中で仕事を終わらせて昼過ぎ
Weblog: PelleasのBlog
Tracked: 2008-07-27 14:42