2010年02月03日

バッハ演奏法の本

1月中は痛恨の出来事があったりして、幸せだったのか不幸だったのかよく分からない感じになってしまった。

kenさんのところで紹介されていた、「バッハ 演奏法と解釈」(パウル・バドゥーラ=スコダ/全音)を最近読み始めた。
大分前に買って、しかしバッハを全く弾かない時期に読んでも致し方なかろうという気分もあっての放置だったが、パルティータ2番の譜読みを始めたので。

バロック時代の鍵盤楽器音楽全般にも言えることだが、私がバッハの作品を弾く上で胃もっとも気になるのが、アーティキュレーションとテンポ、デュナーミク、そして装飾音の取扱いである。
バッハは少しだけ習ったことがあるのだが、アーティキュレーションについての指導はあまりなく、装飾音については個別具体的な指示があるだけだった。
多分こういう指導だと、習う方によほど優れた勘か経験がない限り、自分で初めての曲を解釈して手をつけるということが出来ないのではないか、と思ってみたりもする。

その点、この本は使えそうな気がする。
内容的にも、様々な文献や物的証拠に基づき、バッハ作品の演奏に関する諸問題を論じており、実践的内容ながら、単なる演奏解釈本ではなく、立派な研究書である。

この本、全音版であると先に記したが、この手の優れた書籍は、従来は音楽之友社から出版されることが多かった(少なくとも私の目に留まった範囲では)。
ところが、「音楽之友社は、出すのは良いがすぐ絶版になる」という噂がアリ、実際、「古典純粋対位法」(サルヴァトーレ・ニコローシ著)、「バッハの装飾音」(W.エマリ/東川清一・訳)といった近年の優れた著作も既に絶版となっている。これは何とかならないものだろうか。。。

...話が逸れた。
ついでにもう一つ脱線しておくと、先日ひょんなことから占い師にみてもらう機会があったのだが、曰く「あなたは自分のやり方でやって伸びる人だ」とのことだった。
多分、自分が具体的な問題意識をもってそれに動かされない限り、ピアノも習いに行かない方が良いのだろう。
#って、ホントかいな?


...で、そんなこんなの問題意識から読み始めたわけである。
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2010年01月23日

コレッリ:《クリスマス協奏曲》

年末に届いた、コレッリのコンチェルトグロッソ集と、ヴァイオリンソナタ集の楽譜は、何れもDover版である。
以前にもヴァイオリンソナタ集の楽譜を買おうと思ったことがあって、その時は編曲をしようと思ったのではなく、ヴァイオリン弾きがいたので一緒に演奏しようと思ったのだった。
その時は、Schott版とかPeters版とか色々見て、伴奏(通奏低音パート)の譜面(ふづら)が版によってあまりにも違うために躊躇し、結局買うに至らなかった。何といっても、実用面を重視した為なのだろうけど、1段の所謂「数字付き低音」ではなく、ちゃんとピアノの大譜表に仕立てられていて、それが元の「数字付き低音」に基づいてそれぞれ違う人によって書かれているため、版によってまったく違う譜面(ふづら)になってしまっていたのだった。
若しこのような版を使って演奏するのであれば、何も考えずに信用するか、自らきちんと通奏低音について学んだ上で検証するという作業が必要になってくる。
真っ当な人なら恐らくそのようなものは使わず、コレッリ自身が書いたであろう「数字付き低音」のままのパート譜を見、自ら考えるであろう。
そういう意味では、通奏低音が「数字付き低音」として書かれているDover版は、却って良い選択だったといえる。

さて、コレッリのこれらの楽譜を買ったのは、目先の目標としては、ピアノ版に編曲することを通して、コレッリの作曲技法に触れることにある。
ひとまず、この中で最も慣れ親しんでいる《クリスマス協奏曲》に手をつけることにした。
どの楽章もよく聴き知ったものであったが、まずは第3楽章から始めた。
やり始めて気づいたのは、各声部の複雑な絡み合いである。
この為、ヴァイオリン族同士の比較的同質な音色であるとは言え、声部の動きを重視して2段の大譜表に編曲すると、いろいろと思わぬ無理が生じる。
例えば、第2ヴァイオリンが第1ヴァイオリンの上に出てくるなどということは、割と頻繁にあるのである。
実際ピアノ版に書いてみると、かなり複雑に絡み合って読み難いことこの上ない物が出現した。
コレッリはきっと、鍵盤楽器で作曲を考えたことなどなかったのであろう。
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2009年12月30日

コレッリ

Dover版で、コレッリのコンチェルトグロッソ集と、ヴァイオリンソナタ集の楽譜を買った。

コレッリは、ピアノを初めて習う前の、3,4歳の頃から好きな作曲家だった。
確か、あの頃聴いていたのは、コンチェルトグロッソの第8番、有名な《クリスマス協奏曲》だったと思う。
ラフマニノフやリストが引用したヴァイオリンソナタ《ラ・フォリア》の作曲者であることは、ずっと後になって知った。

物心ついた頃、暫くヴァイオリンを習いたいと親に訴えたのだが、結局却下され、代わりにピアノを習うことになった。ヴァイオリンじゃなかったことへの不満が、ピアノに身が入らない理由だったような気がするが、結局、大して身にならなかったながらも、今は細々とピアノを弾いており、それが音楽との接点の一つとなっている。
だから、と言うわけでもないが、《クリスマス協奏曲》をピアノに編曲してみようと思っている。おもしろいモノになるかどうかは別として。
また、折角だから写譜をして、少しは勉強になったら良いと思う。
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2009年12月26日

FAZIOLIをみて来た。

ファツィオリというイタリアのピアノに触る機会があった。
このメーカーのピアノ、大分昔に某パソ通で話題になったのが記憶にあって、ちょっと興味があったのだが、最近、知人に「一緒に見に行って欲しい。」と言われたので、せっかくだからと三人連れ立って行ってきた。
クリアで明るい音。突き刺さるようなきらびやかさもなく、良いピアノだった。
イタリアものなんか弾いたら素敵だろう。

4番目のペダルのついた機種があって、これは鍵盤が沈む深さを浅くして、音色を変えることなく、音量を抑え、且つ軽快なパッセージを弾く指の動きを助ける効果があるという(まぁ、弾いたらその通りだった。笑)。
ちなみにこのペダルを踏んだ状態の鍵盤のストロークは、ショパンの時代のピアノのそれと同じだとのこと。

「何か弾いて下さい」と我々三人の首謀者がリクエストすると、応対して下さった米国人の社長さんが、スクリアビンの《欲望》などを聴かせてくれて、個人的にはそっちも楽しめた。が、どうせならレスピーギの《6つの小品》とかの方が更にこのピアノに合ってそうで良かったかも。。。って、をいをい。(^-^;
この社長さん、日本語もピアノも堪能であった。

録音やサロンコンサートにも使用されているこのショールーム、スタジオのように借りることは出来るけど、素人がお気楽にピアノオフ的使い方をするにはちょっと敷居が高い。ただし、コンサートで利用する場合は調律など全部込みで7万円とのことだったので、発表会に使うには良いかもしれない。

FAZIOLI 日本総代理店 ピアノフォルティ株式会社
http://www.fazioli.co.jp/
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2009年12月10日

《カッチーニの“アヴェ・マリア”》

ピアノの集まりの中で、「クリスマスにちなんだ曲を」というテーマ決めがされている企画があり、何だかんだと頭を悩ませていたのだが、「ある程度想像できる程度のものでよい」とのことだったので、こんなものを選んでみた。

元は歌曲なので、ピアノ曲版を見つけてくるか、ピアノ曲っぽくしなければならない。そんなことを考えつつ、池袋のYAMAHAで楽譜を物色していたのだが、幾つか掲載している曲集が見つかった。中には曲集自体のタイトルが「アヴェ・マリア」となっているものまであって、開いてみると本当に「アヴェ・マリア」だけが収録されていたりする。グノーは勿論、シューベルト、カッチーニ・・・その他、私が出会ったことのなさそうな「アヴェ・マリア」も。
そして、「カッチーニの〃アヴェ・マリア〃」も、楽譜によって、いろいろな伴奏が書かれていて、それにしてもよくぞこうも違っていたものだと思った。というのも、この曲自体はG. カッチーニの作品ではないことが分かっていて、本当の作曲者も20世紀の人物と特定されているようなのである。
※ウラディーミル・ヴァヴィロフ(Vladimir Vavilov 1925-73)であるらしい。
にも拘らず、まるで昔からある旋律にめいめい伴奏を書いたような感すらあるのだ。

色々見た挙句、結局、「君と旅立とう」(音楽之友社)という曲集を買って帰った。編曲の手間を費やさずとも旋律がピアノパートに入っているのは結構なのだが、旋律があまり響かない音の配置になっている(まぁ、本来は歌がつくんだから、別に構わないということだろう)のと、あとちょっと弾き難い(わがまま)ところがあるのが難だろうか。

あんまり時間もないけど、楽譜をいじるかどうかは、ちょっと考えてみよう。。。
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2009年12月06日

KOZO TATE GUITAR RECITAL

普段はギターのリサイタルに行くきっかけは全くといっていいほどないのだが、今回はちょっとした縁で、建孝三のギターリサイタルを聴きに、東京文化会舘(小ホール)へ行った。
このホールへは、古典鍵盤楽器奏者の知人のリサイタルや、クライネス・コンツェルトハウスのコンサートを聴きに何度か通ったが、他のホールとは違って、未だに「どこに座ったらよりよく聴こえるか」がよく分からない。今日は、「どうも後ろの方に座った方がいいのかも」とちょっと思ったりしたのだが、相変わらず確信が持てない。

前半プログラムはちょっと音が小さいのが気になったが、休憩時間に何かあったのか(?)、後半はちょうど良い音量だった。
不勉強なこともあり、知っている曲はあまりなかったが、バッハが無伴奏ヴァイオリンのために書いた《シャコンヌ ニ短調》、タレガの《アルハンブラ宮殿の思い出》など、耳慣れた作品もあった。
バッハの《シャコンヌ》は、あまり良い事ではないような気もするが、私はブゾーニやブラームスのピアノ版編曲(後者は左手のためのもの)から入っていって、その印象が強い。それでこの日の演奏はあっさり目に聴こえてしまった。そのことを隣で聴いていた、私をこのリサイタルに誘ってくれた人に話すと「この曲が濃くってどうするの?」と笑われてしまった。
まぁ、本当はきっと、そうだよね(苦笑)。

2009年12月05日

パノハ弦楽四重奏団@トッパンホール

を、聴いてきた。
ピアノのない演奏会だが、Fibichがプログラムに入っていたので(笑)。

彼らの演奏は、数年前からCDで知っていたのだが、今回はその良さを再認識する機会となった。
表現の繊細さ、音色の美しさ、旋律を歌い上げることの上手さ、デュナーミクのコントロールの巧みさが光る演奏だった。
説得力のある演奏とも言えるのではないだろうか。

会場の雰囲気も良く、その拍手に応えて、アンコールは3曲も演奏された。その最後に、それまでのものとは雰囲気が明らかに違う、ブルッフの「ピチカート」を持ってきて、暗に「これで終わりだよ」と匂わせている辺りも、なかなか心憎い演出だった。

Program -----------------------------------------------------
ハイドン:弦楽四重奏曲 ニ長調 Op.76-5 Hob.III-79 《ラルゴ》
フィビヒ:弦楽四重奏曲第2番 ト長調 Op.8
ドヴォルジャーク:弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 Op.96 《アメリカ》
--------------------------------------------------------------
パノハ弦楽四重奏団 [ イルジー・パノハ(1stヴァイオリン) / パヴェル・ゼイファルト(2ndヴァイオリン) / ミロスラフ・セフノウトカ(ヴィオラ) / ヤロスラフ・クールハン(チェロ) ]

2009年11月24日

動物行動学の日高敏隆さん死去

ご本業のことは実は殆ど存じ上げないのだが、彼が邦訳した「鼻行類」という本は、高校生の頃に読んだことがある。
確か、丸善が出していた雑誌「学燈」に紹介されていたのを読んで、その存在を知ったのではなかったかと思う。
そもそも、丸善の「学燈」も、元は「受験の国語 学燈」を本屋で頼んだところ、間違ってこれが来た、というのが手にするきっかけだった(苦笑)。


http://www.asahi.com/science/update/1123/OSK200911230005.html


動物行動学を国内に広め、日本動物行動学会を設立した京都大名誉教授で元滋賀県立大学長の日高敏隆(ひだか・としたか)さんが14日、肺がんのため死去した。79歳だった。葬儀は近親者で行った。喪主は妻喜久子さん。後日、お別れ会を開く予定。

 東京都生まれ。52年に東京大理学部動物学科を卒業し、57年同大大学院修了。東京農工大で講師、助教授、教授を務め、75年から京都大理学部教授に就いた。89年から同学部長。95〜01年に滋賀県立大学長、01〜07年に総合地球環境学研究所長を務めた。00年に南方熊楠賞を受賞。

 少年時代から虫の行動に興味を持ち、モンシロチョウのオスがメスを見分ける際の「行動」について研究。メスの羽が反射する紫外線を頼りにオスがメスに近づいていることを示した。

 73年にノーベル医学生理学賞を受けた動物学者コンラート・ローレンツ氏らが発展させた動物行動学を日本に紹介。82年に日本動物行動学会を設立し初代会長に就いた。

 訳書も多く、動物の行動は種の保存ではなく遺伝子の保存に有利に働くという概念を打ち出した「利己的な遺伝子」(リチャード・ドーキンス著)や、動物の闘争行動や利他的行動の意味を論じた「ソロモンの指輪」(ローレンツ著)など多数手がけた。

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2009年10月17日

十周年

今日、本家のサイト(http://fibich.info/)が開設十周年を迎えた。

正直なところ、開設した当初は、これが十年も続くとは思っていなかった。
この当時、 Fibich の作品は、楽譜や音源などの情報が殆ど見当たらず、わずかな楽譜を手に入れるのにも苦労したことから、「こういうものがある」というのを示して、私と同じように探すのに苦労している人の一助としよう、というのをコンセプトにしてきた。が、それだけに、情報の少なさがネックになって、早々に頓挫するのではないかという気もしていた。
しかし、作品主題目録がSupraphon(現・ Editio Bärenreiter, Praha)から刊行された他、CDや楽譜もいろいろ刊行されて、タイミング的には恵まれていたと思う。

Fibichを通して、他のチェコの作曲家達の作品との出会いがあって、関心の対象がチェコ音楽、チェコ、チェコの歴史などにも広がったこと、更にそれがきっかけとなって、人とのいい出会いに恵まれたのは、幸せなことだったと思う。
posted by D at 22:12| Comment(2) | TrackBack(0) | web/net/pc

2009年10月07日

PFN

というのは、昔在籍したことのあるピアノサークルだった。
とある騒動がきっかけで崩壊し、代表じゃなかった何人かの人達が中心になって、代表を一人に固定しない、つまり選挙で代表を選ぶサークルとして再出発したのがいつだったか・・・かれこれ6,7年くらい前のことだったように思う。

再建の方式が私の考えとは相容れないものだったので、当初は参加を渋っていたのだが、睡眠時間を削って個々の説得に当たっていた再建発起人達の熱意に理解を示す意味で、参加することにした。
が、結局方向性が受け入れ難い程に違っていたことが分かったため、半年ほどで退会した。
あれから、随分経った。
私が退会した後も会員であることを続けている知人から「解散の時期を模索している」と聞いたのが1,2年ほど前。
が、とうとう解散したらしい。
時々webは拝見していたが、今日見に行ったところ、なくなっていた。
whoisを引くと"Suspended" とあることから、既に "pfn.jp" ドメインの廃棄手続きを行ったのだろう。とすると、1年経てば誰でも取得出来るドメインになる。
「あの騒動が、これでやっと終わったのだ」というのが、正直な感想である。
posted by D at 23:45| Comment(2) | TrackBack(0) | ピアノ